シルクロードならぬコットンロードのウズベキスタン

   生まれて初めて中央アジアウズベキスタンの地を踏みました。近年東南アジアばかりで、まだまだ行ってみないと知らない世界がこんなにもあると、つくづく今回は感じました。同じくシルクロードのトルコ・イスタンブールには行った事があり、そこでタオルの発祥地と言われる歴史をかじり、それだけでいい気になっていました。しかし、繊維業界は勢力図として中国・東南アジアに生産地は移り、今やインド・パキスタンバングラデシュも圧倒的な力を誇ります。ウズベキスタンは果たしてどうなんでしょうか🤔

   事前にほとんど調べずに向かったので道中に中央アジアのマクロ経済を見てみると、5つの国でウズベキスタンの人口は一番多く3千万人以上いるようです。1人当たりのGDPも2千ドルほどで、まだまだ貧しい国のようです。しかし、首都タシケントの様子を見ると道路も整備されており、東南アジア諸国に比べると非常に綺麗な都市です。1991年に独立したと言いますので、ロシアの影響が大きくあるのでしょう。そこで知ったのはウズベキスタンの綿花栽培は2年前まで国営で、ようやく民営化されたという途上にあるという事です。生産量では世界6位と言いますので、ポテンシャルだけ見たら期待が膨らみます。

   ここからは企業秘密にも当たるので全ては明かせませんが、私の現在の活動のベース、インドネシアは綿糸に定評があります。しかし、綿花は全て輸入です。中国やベトナムは品質にバラツキがあり、原因は綿花だと思います。日本の紡績はそうした問題をクリアする為に、各国の綿花をブレンドさせて品質を安定させます。一貫して品質を安定供給するのは簡単ではないのです☝️

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(ナマンガンの家族的な工場にて)

  戦前戦後、繊維業界は日本経済を牽引してきました。それが韓国や中国、東南アジアへ繊維業界が発展する地は移転し、その理由は国の成熟度にあります。自説ではありますが「衣食住」から「遊学働」へのライフスタイル変化によって、産業における繊維のウェイトが下がってくるのは否めません。今は東南アジアが熱いですが、中央アジアウズベキスタンまで移っていく事は想像するだけでも楽しいものです。合成繊維の世界がどこまでいくか分かりませんが、まだまだ世界のコットンの生産量も増え続けています。

   綿花栽培において殺虫剤が大量に使われ、地球環境や人命までリスクにさらされているという現実は克服していかないといけませんが、タオルという一つの繊維アイテムにとっても、こうした深化と探索は引き続き継続していく所存です。コットンロードを駆け抜け、サマルカンドでは異国情緒を堪能した出張となりました。それでは今回はこんなところで👋