神風

  大阪万博が決まりました。東京オリンピックの決定時もそうでしたが、複雑な気も持ち合わせます。何故世界の中で日本がこれだけ優遇されるのか、我々は発展途上国の貧しい人達と比べて既に恵まれた環境にあります。世界的なイベントは貧しい所で開催して、そこの発展を支えるべきではないかという疑問です🤔

   一方、東南アジアの発展途上国に来て感じざるを得ないのは、日本の秀逸性です。もちろん、こちらに日本にはないサービスが登場してきていますが、日本社会は成熟しており、やはり世界の先端を行ってます。健康寿命が今の日本では最大とも言えるテーマですが、こちらはそれどころでなく、生きる為に必死です。格差が激しいので単純に言えない所もありますが、まだ非効率な経済環境にあり、それ以前の問題が多いのです。やはり、アジアを代表して牽引する役割を今後も担うと思います。

   とは言え、日本社会に大きな弊害も出てきているのは確かです。年功序列であったり、過度な権威主義による組織的な弊害です。日産のゴーン氏が逮捕されて大騒ぎですが、本当に権力が集中し過ぎて暴走を止められなかったのでしょうか。2005年にルノーCEOと兼務するようになってからおかしくなったと言いますが、権力が集中するとガバナンスが働かないって何を判断基準で事を進めるのか不思議に思います。企業というのは同じ事を繰り返すものなのでしょうか。それではトップが全てになりかねません。自浄や自制という機能を、どう組織は保つ事ができるのでしょうか。

   2008年のリーマンショックで八木春は一時傾き、番頭経営の歪みが一挙に出ました。創業80年を前にして、創業家から久しぶりに私が社長に就任したのですが、2013年に黒田ショックと言われた神風が吹くまで本当に苦しみ抜きました。デリバティブという、銀行が仕掛けた麻薬に手を染め続けた暴走との戦いです。上がやってた事で済めばいいですが、従業員には家族もあり、生活がかかっています。二度とこうした過ちを犯すべきではありませんが、常に歯止めが効く経営の仕組みが必要です。

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(昨日の手工芸品展示会でキュプラを使った織物の様子)

   神風は一度ならず、箕面船場の駅が出来る事になったり、今回の大阪万博が決定したり、この10年でこれだけ運が巡って来るのは一体何が要因なのでしょうか。運というと偶然のように思われるかもしれませんが、何か前世からの積善の結果のようにも感じます。自助努力のない所に、他力による救いはもたらされないものです。私は先人に感謝して生きないとバチが当たります。

   それではどうしたら組織の弊害を取り除く事が出来るか、又それによって海外に範を示す事が出来るのが今日本に問われてる事のように思います。超高齢化社会を世界で一番に実現してしまう我々が、将来世代にどう伝えていくのか今回の万博で表現できたらいいのではないでしょうか。

  今週末は少し大きなテーマでした👋