日本のソフトパワー

   久しぶりの大阪箕面で平穏な日曜日です。昨日は泉佐野で金野タオル会長の葬儀に出て業界の方々とも顔合わせし、顔合わせると普段インドネシアにいる事もすっかり違和感なく溶け込めるので不思議な感覚です。11日に帰国し東京で一泊した朝は、何と自分が今どこにいるのか思わず考えてしまいました😅

   午前中に6月の株主総会前に切って以来の散髪にいつものヘアサロンに行ってきたのですが、そこで当たり前に感じるサービスに、「すごい」と思わざるをえなかったので簡単にブログで記します。指名するスタイリストはいつも決まっており、前回の事は当然知っています。すごいのは洗髪してくれたり、肩を揉んでくれたりする他のスタッフです。

   洗髪してくれた男性スタッフは、何と私の知り合いが店にいらっしゃったという話をされました。その方となんで私が繋がったのか分かりませんが、私は単に3〜4ヶ月に一度くらいしか来ない顧客です。聞いてる方は「へ〜」としか思わないかも知りませんが、話す方は顧客の名前と何をしてる人か情報を持ち合わせていない限り、私の知り合いとそんな話は出来ません。

   次に肩を揉んでくれた女性スタッフは、何と前回の髪形の話をしてきました。ちょうどサッカーのワールドカップをやっていた時にサッカー選手の髪形をイメージして刈ってもらったので、今回は何故その時と違うのかという話で盛り上がったのです。彼女にその時ヘアカットしてもらった訳ではありません。2人とも私の事を覚えているという事実は、その店にそうした取り組みを促す教育システムなりが整っているという事だと思います。

  実はヘアサロンは、髪の毛を綺麗にもしくは格好よく整えるのが目的の店ですが、付加価値はそこにないとも言えます。何故なら技術や価格は競争にさらされ、なかなか差別化は難しく、値段を取るためには居心地やホスピタリティを高める必要があります。商品は何かと言ったら、そこで働いている人です。これは今やどんな事業でも言える事で、我々もタオルや見に見えるハードで差別化する事は難しいのです。特に日本はもはや、ものづくりからソフト大国へ脱皮しないと付加価値は高まりません。

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(写真は銀座にある藤高タオルのショップ)

   これだけ物が溢れて競争の激しい市場でどう勝負するのか、本気で考え抜かないと生き残りは厳しいと言えます。2020年にオリンピックが開催されますが、正に「おもてなし」こそ我々の独自性として磨く必要があります。世界では、これほど顧客サービスに意識の高い国はそうそうありません。日本の皆さんは普通に当たり前に思ってるかもしれませんが、インドネシアにいたら時間を守る事すら出来ない現実を目の当たりにします。

   製造は中国でも、もう日本と変わらない技術を持っていたりします。もちろん研究開発力は、まだまだ日本も磨いていかなければなりませんが、強みや独自性は、お客様に対するきめ細かなサービスになると思います。整理・整頓・清掃・清潔・躾と言った5Sは今や世界に普及しており、日本のソフトパワーはアジアでは飛び抜けているでしょう。

  こうした我々の価値はどこにあるのか、独自性と存在意義を何度でも確認することはいい事です👌髪を切るという事だけなら、合理的に安くてうまい店に行けばいいのです。付加価値は合理性から生まれてきません。一見無駄にも思える所に人は魅力を覚えるものです。日本に帰国して改めて感じた次第です。日曜日の昼下がり、今日はこんな所で👋